庭にある木が大きくなり、鬱蒼となってきます。自分では手に負えなくなったから剪定を頼もうと考えるのは普通です。そこで、安く請け負ってくれるところはないかと探されます。
ところで、植木屋さんといってもいろいろな方がいらっしゃるのをご存知でしょうか。値段が安く抑えたいならシルバー人材センターの方になりますし、多少高くなりますが形を整えることを主とされる植木屋さん。庭全体の消毒、施肥、剪定までの維持管理となれば造園屋さんになります。植木屋さんよりも高くなりますが納得いただけるはずです。
庭木の剪定、消毒、施肥、竹垣づくり、雪つりなどの技術があるのは造園技能士と呼ばれる国家資格を持った人たちで、個人で開業されている方、造園会社で働かれている方などおられます。
見積書を出させていただくと「毎年剪定してもらっているけど、こんなに日数がかからないしもっと金額が安い」というお話があります。
そこで、説明をさせていただきます。形を整えるだけなら、同じ日数で同じ金額で剪定させていただきますが、木にとっては充分な手入れではありません。なぜならば、木が大きくなって、葉っぱが生い茂ると下の枝葉に光が差さず、光のある空間に枝が回り込んで伸びてきます。そうならないように、光のとおり道を邪魔している枝葉を抜いて手入れするのが剪定の基本です。なので時間がかかります。また、枝葉を抜くのは風通しを良くして虫などが繁殖しないようにするためでもあります。
お庭の維持管理とは木の外観だけを整えることではなく、葉っぱで光合成が十分にできるように不要な枝を抜き、また、害虫などが繁殖しないように風通しを良くする。そして、その補助として消毒や肥料を与えるのが基本だと考えます。
刈込だけで剪定が終わりと思っているのはお客様だけかもしれません。刈込だけなら時間はかかりません。それで、日当をいただいて刈込後の少ない枝葉の廃棄処理料までいただけるのなら高収入になります。しかし、基本的な剪定をすると枝葉の廃棄量も多くなるのが普通です。ましてや、剪定したのが2年前とかいう話を伺ったりすれば、枝葉の廃棄料金だけで高額になります。
はっきり申し上げて、形ばかり整えるだけなら剪定しないのと同じかもしれません。夏場であれば1,2週間で枝葉が伸び、1カ月もすれば元のように枝葉が伸びてしまいます。そのような剪定にお金を支払われるのですか。多少時間がかかっても基本的な剪定をきっちりされたほうがお得ではないでしょうか。