東日本大震災で後ろの墓石が倒れてきて卒塔婆立てが変形してしまいました。天災なので仕方ないのですが墓参の度どうにかしなければと思っていました。すぐには動けず今日までにいたります。今回供養を兼ねて竹垣を作ることにしました。
お墓に竹垣というのはメジャーではありませんが、樋口一葉さんのお墓に四ツ目垣があるのは知られているところです。
今回は造園業の私としては「お墓に竹垣=竹垣供養」というコンセプトで新商品発表出来たらという目論見もあり、ご先祖様にも協力していただくことにしました。
こちらが施工前の写真
施工後の写真
いかがでしょうか。 今回の竹垣は変形の金閣寺になります。卒塔婆を立てるため100㎝の高さが必要になります。すべての高さを100㎝にするとお墓の敷地が狭いので圧迫感が出ます。そこで、卒塔婆立ての部分のみを高さ100㎝にして、他を低く50㎝にしました。
変形した卒塔婆立てはステンレス製でセメントで固定されていました。これを撤去するには墓石を移動してコンクリートをはつるか、グラインダーで卒塔婆立てを切断する必要がありますが、今回は道具を持ってきていないので撤去せず、変形した部分を少し直して竹で隠すことにしました。
金閣寺垣は簡単にできると思っていましたが、意外に手間がかかりました。次回修正と割り切って手抜きをしましたが、それでも製作に6時間も費やしました。
自然素材の竹は経年劣化が激しく5年程度。だからこそ、竹を使った竹垣は劣化してきたら新しくするということが供養に繋がるのではないかと考えました。経年劣化がほとんどないプラスチックで垣根を作っても供養にはならないと思います。だから、技術の高低があからさまになる自然素材の「竹」を使用しました。
供養とは何かを考えれば、故人との有意義な再会の機会の確保だと思います。彼岸やお盆の墓参で故人の供養もしていることでしょう。しかし、マンネリ化して形骸化しているのではないかと怪しめば、そこに5年に1度、法要とは別の行事が加わえることを行えば、本来の意味での供養に繋がるのではないかと考えるわけです。
七小町造園は「お墓に竹垣」を作ることをお請けいたします。